【サカサマのパテマ】空に落ちる体験を味わえる!おすすめアニメ映画

【パテマ】アイキャッチ画像 アニメ
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空に落ちる唯一無二の感覚を味わえるアニメ映画「サカサマのパテマ」。

本作を手掛けるのは、2021年秋に映画「アイの歌声を聴かせて」の公開を控える映画監督の吉浦康裕(よしうらやすひろ)さんです。

今回の記事では、そんな吉浦監督が手掛けた「サカサマのパテマ」のおすすめポイントについて紹介していきます。

基本情報とあらすじ

基本情報

2013年11月9日公開。

本作は原作・脚本・監督を吉浦康裕さんが手掛けたオリジナル作品です。

地下世界出身で重力の方向が逆さまの少女パテマと地上世界に住む少年エイジの交流が、美しく迫力ある映像で描かれます。

吉浦康裕さんは個人制作でアニメ界に新風を巻き起こし、中でもAIと人間の交流を描いた「イヴの時間」では多くの注目を集めました。
2021年秋には待望の新作「アイの歌声を聴かせて」が劇場公開予定です。

ちなみに、本作は第17回文化庁メディア芸術祭(2013年度)アニメ部門での優秀賞を初め、多くの賞を受賞しています。

~キャスト~
パテマ:藤井ゆきよ
エイジ:岡本信彦
ポルタ:大畑伸太郎
ジィ:ふくまつ進紗
ラゴス:加藤将之
ジャク:安元洋貴
カホ:内田真礼
イザムラ:土師孝也

あらすじ

かつて空に多くの人々が吸い込まれた災厄の経験から、空を忌み嫌うようになった独裁国家アイガ。

そこに暮らす少年エイジは、地下世界から来た逆さまの少女パテマに出会います。

この2人の偶然の出会いは、世界の根幹までも揺るがす事態に発展するのでした。

3つのおすすめポイント

ここからは、本作における3つのおすすめポイントについて紹介していきます。

空に落ち、空を飛ぶ感覚

おすすめポイントの1つ目は、空に落ち、空を飛ぶ感覚が味わえることです。

空に落ちる恐怖

普段私たちが見上げる空が「恐怖」の対象となるのは、本作でしか味わえない経験です。

パテマを含む地下世界の人々(サカサマ人)は、地上に住むアイガ人とは逆方向に重力が働きます
どういうことかと言うと、サカサマ人にとっては地面が「空」になり、空が「地面」になるのです。

普段誰もが見上げる存在である広大な空は、どこまでも広がる大穴に一変。

踏みしめる地面が存在せず、一歩間違えれば真っ逆さまに落っこちてしまう事実は恐怖でしかありません。

高いところが苦手な人にはヒヤッとするシーンが多いかも

空を飛ぶ浮遊感

一方で、空を飛ぶ感覚を味わえるのも本作の魅力です。

重力が逆方向に働くパテマは、何かにつかまらなければ空に落ちていってしまいます。

そこで、地上世界における唯一のより所となるのがエイジです。

パテマはエイジにしがみついて何とか落ちずに済むことになります。

パテマとエイジの場合は、エイジの方がパテマより重いため、シーソーのようにエイジの方に重力が傾きます
このため、エイジは地面に足がついた状態になり、パテマが空に落ちずに済んだのです。

エイジはパテマの重さの分だけ上に引っ張られ軽くなっているので、足で地面を蹴るだけで月面と同じように高く飛び上がることができます。

空を飛んでいるパテマとエイジの様子は見ているだけで気持ちよく爽快。是非映画を観て体験してみてほしいです。

王道の物語

おすすめポイントの2つ目は、王道の物語です。

ガールミーツボーイ

本作の物語は、少女が少年に出会うガールミーツボーイが主軸に据えられています。

重力が「逆さま」の設定は難しいかもしれませんが、物語の本筋はいたってシンプル。

地下世界のお姫様パテマは、地上世界アイガに暮らす少年エイジと出会い、そこから大きく物語が動き出します。

対照的なパテマとエイジ

パテマとエイジは対照的な存在で、そんな2人が信頼関係を築いていく様子には心を動かされます。

パテマは愛らしいキャラクターで、表情がコロコロと変わる好奇心旺盛な少女。地下世界のお姫様なのですが、身にまとうのはドレスではなく防護服なのが特徴です。

対するエイジは今の環境に不満を感じており、どこか悲しそうな表情をした少年。忌み嫌われるようになった空をいつも眺めています。

2人の性格は正反対ですが、パテマと空を飛んだことがきっかけで、エイジの曇っていた表情が晴れやかなものになっていくのは印象的です。

置かれている立場を初め、パテマとエイジは何から何まで違います。

しかし、そんなパテマとエイジがお互いに心を開き、信頼関係を築いていく様子にはグッとくるものがあるのです。

明確には描かれませんが、2人の恋愛関係に注目してみるのも良いかもしれません。

勧善懲悪でわかりやすい展開

本作は勧善懲悪ものでもあり、イザムラが清々しいほどの悪役として君臨します。

エイジは作中で、アイガに迷い込んだパテマが地下世界に帰還できるよう奮闘。

それを邪魔するのがイザムラです。

サカサマ人がアイガに現れたとの報を聞き付け、アイガの秩序を乱しかねないパテマを捕らえようと画策。

彼はアイガを治める君主であり、独裁者でもあります。

イザムラが明確な敵として、パテマとエイジに立ちはだかる構図は非常にわかりやすいです。

対比を意識した世界観

最後に紹介するおすすめポイントは、対比を意識した世界観です。

立場により異なる世界の見え方

立場が変われば、見える景色も異なります

例えば、エイジから見た世界とパテマから見た世界は全く違いました。

エイジにとって、パテマと一緒に空を飛ぶことは心躍るものです。作中では何度となく空を飛ぶシーンがありますが、そのどれもがエイジにはワクワクする冒険となっていました。

一方、パテマの視点から見れば空に落ちることになります。パテマが感じていたのは、どこにも踏みしめる地面がなく、エイジから手を離せば落下してしまう恐怖

立場の違いによって、同じ状況でも受ける印象はガラッと変わるのです。

地下世界と地上世界の人々の対比

普通なら地下は暗く、地上は明るいイメージがあるかと思います。

しかし「サカサマのパテマ」では、そうした一般的なイメージとは反対の状況が描かれるのです。

地下世界の暮らしには物質的な豊かさはありませんが、人々は誰もが明るく希望に満ちた表情をしています。

一方、地上世界アイガは住民が動く歩道で運ばれていく徹底的な管理社会。人々は空を忌み嫌い、いつも俯き加減の暗い表情をしているのが特徴です。

この対比によって、地下世界と地上世界の違いがより鮮明に描かれます

物語後半には今まで見ていた世界観がひっくり返る展開があり、きっと驚かされるでしょう。
パテマを観た後に触れたい4作品
1.アップサイドダウン
→重力が逆方向に働く男女のSF恋愛映画(「サカサマのパテマ」と設定が似ている。しかも同時期公開)
2.グラビティデイズ
→重力を自在に操る少女が主人公のゲーム。空を飛び回る爽快感が味わえる。
3.ICO
→手をつなぐことがゲームにとって重要な意味を持ち、パテマが影響を受けた作品の1つ。ちなみに、ICOの音楽を手掛けたのはパテマと同じく大島ミチルさん。
4.旅のラゴス
→旅人のラゴスを主人公に据えた、筒井康隆さん執筆の小説。「サカサマのパテマ」に登場するラゴスの名前は、この小説のラゴスから取ったものだそう。

パテマを観た時、まず思い出したのがICO。購入したパンフレットにはICOの作者である上田文人さんのコメントが寄せられていて納得。

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まとめ:新しい体験をしたい人におすすめの作品

「サカサマのパテマ」は斬新な設定と王道の物語がカッチリとかみ合った作品です。

是非、本作を体験して、空に落ちる感覚や浮遊感を味わってみてくださいね。

そして、2021年秋公開予定の「アイの歌声を聴かせて」を楽しみに待ちましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ではでは~(^^)/

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